介護職が4Kなんてとんでもない!|世間のイメージと実際の介護職は全然違いますを現役介護士が説明します。
こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
介護職のイメージは「キツい、汚い、危険」の3Kどころか「給料が安い」を入れた4Kであるとさえ言われています。
特に僕と同じ40代やそれ以上の世代である「中高年」が、未経験で介護職に就くというのには躊躇してしまうのも分からないではありません。
僕自身、43歳の時に「無資格、未経験」で介護業界に転職しましたが、それ以前の業界へのイメージは世間のイメージとそれほど大差なかったように思います。
しかし実際に介護職として働いてみると、仕事内容は思っていたイメージとはかけ離れた「楽」なものでした。
今日は介護職の現実と世間のイメージのギャップがいかに乖離しているのかをお話します。
介護職のイメージが悪い理由
正直に言って、介護職はイメージが良い職種ではありません。
「キツい、汚い、危険、給料が安い」
確かに4Kと言われる所以は分からなく無いのが、介護職の現場の仕事だと思います。
しかし僕が実際に介護職に転職してみて感じた事は
「確かにキツいかもしれないけど、世間のイメージほど悪い仕事では無い」
ということでした。
世間では介護や介護職に関して、ネガティブなニュースだけを積極的に報道する風潮が未だにあります。
- 介護施設での虐待のニュース
- 家庭での虐待のニュース
- 高齢者の交通事故のニュース
日本の介護に関するニュースのほとんどは、そういったマイナスイメージの事柄ばかりなような気がします。
実際の介護施設では、利用者さんの残された人生をいかに充実して過ごしてもらうかを真剣に考えて行動している所も少なくありません。
しかしそのような「まっとうな」介護施設が、ニュースに取り上げられる事は稀な話です。
日本のマスコミは「高齢者=悪者」「介護職=悪者」という話にしか食いつかないのが、現在の介護に関する世間のイメージを作っている元凶だと僕は思います。
介護と介護職は別物
介護職に転職してくる以前の僕も含めて、多くの人のイメージで一番大きな勘違いは、介護と介護職を混同している点です。
介護と介護職は実は全くの「別物」なんです。
例えば自分の両親や身内の方が、認知症や脳性麻痺などで要介護状態になったとします。
そうなると残された家族の中の誰かが「介護」する必要があると思いますが、この「介護」は実に大変な労力を伴います。
多くの人は、自分自身で自分の人生を歩んでいきます。
その人が、自分の判断で行動出来なくなったり、体の一部が機能しなくなって誰かの助けを借りなければ、生活が出来なくなったり、いわゆる「自立」できなくなった状態に陥ると、当初その家族や身内の方は非常に大変な思いをすると思います。
介護側の人にも、その人の人生があります。
もちろん自分にも家族がいたり、仕事を持っていることでしょう。
自分自身の人生を歩みながら、他の誰かの生活の介助をし続けるという日々は、言葉で語る以上に大変な事だと思います。
そして在宅介護をしている間は、その「介護」に終わりはありません。
介護が必要な方の状態にもよりますが、24時間365日「介護」に終わりが無いのが普通だと思います。
悲しい話ですが、その介護が終わる時、それはその方が亡くなった時です。
ご家族を在宅で介護し続ける労力は、それを経験した事がある人で無ければ分からない苦痛を伴う物です。
正直に言って「介護」は大変なものだと僕も思います。
しかし僕の様に「介護」の一部を仕事とする「介護職」が、いわゆる「在宅介護」と同じくらい大変かと言われれば、実はそうではないのです。
意外と楽だよ介護職
介護職が「楽」と言い切ってしまうと、批判を浴びそうですが、僕が言っているのは「世間のイメージよりはるかに」楽、という意味です。
在宅介護で親や身内の方を介護するのに比べると、老人ホームなどで働く介護職の仕事は格段にその労力が減ります。
介護職は、当たり前ですが自分一人で行う物ではありません。
介護職の現場は、自分の他に多くの介護士や看護師、ケアマネージャーや理学療法士などの専門家に囲まれています。
ひとりの利用者さんの状態が、徐々に悪化していっても、それに伴った対策やケアの方法などを様々な専門家の視点から分析して改善していきます。
例えば、今まで車イスに自分で移乗出来ていた利用者さんの足腰が弱くなり、介護士による移乗介助(トランス)が必要になったとします。
その利用者さんが小柄な方であれば良いですが、身長も高く体重がある人の場合、ひとりの介護士の移乗介助では、介護士自身に負担が掛かってしまいます。
その場合、介護士2人組による「二人介助」にしたり、スライディングボードや移乗リフトなどの道具を使って、介護士の負担を減らしたりするケースもあります。
実際の介護現場では、この例の様に常に「介護をする側」である介護士の負担も計算しながら利用者さんのケアプランを作っていきます。
ここは「介護」と「介護職」の大きな差だと思います。
在宅介護では、ほとんど全てのことを介護する人がひとりで行わなければなりません。
しかもそこには専門知識があるわけでもなく、「なんとなくこうだろ」という感じで日々の介護を行っているのが普通ではないでしょうか?
そのような介護は、介護する側を身体的にも精神的にも疲弊させていきます。
それが専門家集団である「介護職」になれば、全く違った話になるのです。
世間の「介護職はキツい」というイメージよりも介護職での一人当たりの介護士の作業量は、実はそれほど多い物では無いのです。
介護職の4Kイメージをを覆す方法
「キツい、汚い、危険、給料が安い」
この世間のイメージに対して、実際に介護職に転職した僕の感覚は
- キツい→介護と介護職は別物
- 汚い→排泄介助は慣れるもの
- 危険→認知症の方への接し方は介護技術でカバーしよう
- 給料が安い→常勤(正社員)ではなく派遣で高収入を得よう
こんな感じです。
実際に「介護職はキツいか?」と言われれば僕は「キツく無い」と思います。
介護職はシフト管理された仕事です。
一日8時間、夜勤の場合16時間など、仕事の時間には限りがあります。
無制限に続く「介護」に比べて精神的にも体力的にもそれほどキツくはありません。
介護に付き物の「排泄介助」ですが、これは完全に「慣れ」の問題だと思います。
医療の世界において「排泄」は非常に重要な基礎現象です。
日々の排泄状態や状況から、利用者さんの体調を見抜く事は介護職の基本です。
それこそ最初は面食らうかも知れませんが、それは一時のことだと思います。
介護職には「利用者さんの暴言、暴力」と「移乗作業などによる身体へのダメージ」の二つの大きな危険があるのは事実です。
しかし認知症の方への接し方や、移乗作業に伴うボディメカニクスへの知見を得る事などにより、その危険は大幅に縮小できます。
ベテラン介護士になればなるほど、その仕事と「危険」は程遠くなる物です。
現実として、介護職の常勤(正社員)の収入は日本の全ての業界の中でも最下位に近い位置にあります。
その中で僕は「派遣」という働き方である程度の収入を得ています。
43歳未経験で派遣介護士に転職した僕の年収が500万円を超えた理由 - 介護士ベイベー
介護職の全てが稼げない訳では無く、「働き方」「働く場所」を良く考えれば、介護職でも一般業界並みの収入を得る事は充分可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世間の介護や介護職へのイメージが良くなるまでには、まだまだ相当な時間が掛かると思います。
しかし日本の高齢者は年々増え続け
2025年には全国で38万人の介護士が不足する
と言われています。
その大きな原因のひとつこそ「介護職のイメージの悪さ」です。
僕自身、介護職へ転職してみてこの「世間のイメージ」と現実の大きなギャップを肌で感じています。
介護職に少しでも興味がある方は、世間のイメージに惑わされる事無く、勇気を持って飛び込んでみて欲しいと思います。
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