訪問介護「高時給」の落とし穴|登録ヘルパーの介護職では稼げない本当の理由
こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
介護の仕事を探していると、
- 時給2500円以上!
- 未経験でも可!
などのうたい文句がよく出てきます。
その職種は大抵「訪問介護」「訪問ヘルパー」「登録ヘルパー」のような職種です。
僕は現在「有料老人ホーム」と「特別擁護老人ホーム」の二箇所でWワークをしていますが、これらはいわゆる「施設内勤務」と呼ばれる職種です。
ではこの「高時給」の「訪問介護」の仕事で、実際稼げるのでしょうか?
今日はそんなお話です。
訪問介護とは
訪問介護とは、施設に入所するのではなく自宅で介護を必要とする利用者さんに、自宅へ訪問して行う介護の形態です。
訪問介護事業者や、派遣会社に「登録ヘルパー」として登録する事が一般的です。
「登録ヘルパー」は、事業所が作ったスケジュールに則って、各家庭を訪問しながら仕事を進めていきます。
仕事内容は、大きく二つあります。
- 生活支援(調理、買い物、洗濯、掃除などの生活のお手伝い)
- 身体介助(排泄、入浴、食事など利用者さんの身体に直接触れて行う介護行為)
利用者さんによって、必要な介助や介護行為はさまざまです。
「訪問介護」は、それぞれの利用者さんの生活習慣や、身体状態に合わせた対応が必要とされる職種ですので、まさに介護職の神髄とも言えるでしょう。
訪問介護が高時給な理由
介護職の中でも、とりわけ時給の高いのが「訪問介護」です。
「登録ヘルパー」「訪問ヘルパー」は、未経験でも可能な場合も多い割に
時給が2000円以上、高い所だと時給2800円!などの所もあります。
この時給が本当であれば、介護職でもそこそこ稼げる計算になりますね。
訪問介護が高時給な理由は、もちろん人材不足が大きな理由の一つでしょう。
現在国は、特別擁護老人ホームなどの「施設」へ入所するよりも、在宅で介護する方向を推奨しています。
ざっくり言うと
「国では老人施設はもう作りませんよー」
「介護の必要な人は、自宅でヘルパーに頼って下さいよー」
という事です。
「地域包括ケア」と呼ばれるこの動きの影響で、あちこちに「訪問介護」の事業所が誕生しています。
しかしそこで働く「ヘルパー」が足りていない訳ですね。
なので、高い時給を払ってでも人員を集める必要があるのです。
僕が介護職を探している時、当然この高時給の求人広告に目が行きました。
「さすがにそんな稼げるような、上手い話しは無いだろう」
と思いながら、後学の為に都内にある「訪問介護」の事業所の一つに面接に行きました。
そこの事業所は
- 訪問ヘルパー(身体介助)時給2500円以上!
といううたい文句でしたが、実際に行って話しを聞いてみると意外な事実が次々と出てきました。
訪問介護「高時給」の落とし穴
訪問介護事業所の説明によると、勤務スケジュールは事業所が作り「登録ヘルパー」はそれに沿って各家庭を自転車で移動するということでした。
例えば
9:00 A宅(生活支援)
↓
11:00B宅(生活支援)
↓
13:00C宅(身体介助)
のような感じになるらしく、一日に4〜5件くらいは家庭を回る仕事だそうです。
しかしここで問題なのが、各家庭でする仕事時間はおよそ1時間程度。それを過ぎても残業というか超勤分は時給発生しないということ。
さらにA宅からB宅への移動時間や、空いた時間に関しては時給が出ません。
さらに面接担当者は
「今は身体介助の利用者さんが少ないから、ほとんどが生活支援です」
と言い放ちます。
つまり「時給2500円」の事案はほとんど無く「生活支援」の時給1200円程度の仕事ばかりだそうです。
訪問介護事業者の面接での回答をまとめると
- 各家庭での仕事時間は一時間づつ
- 移動時間は時給無し
- 時給はほぼ1200円
「で、具体的に一日いくらくらい稼げるんですか?」
と聞くと
「実際スケジュールを組んでみないと分かりませんが、だいたい5千円から7千円くらいですかね」
という驚きの回答でした。
「時給2500円!」
のインパクトは、結果どこにも反映されないという僕からすると、驚愕な事業所でした。
働く人の意識
「生活の為の仕事」
というのは、当たり前の前提だと思います。
その中で、やり甲斐や将来性を感じて続けていけるのが仕事だと思います。
しかし自分の生活が成り立たないような低賃金では、仕事としての前提をまずクリア出来ていません。
僕に取って「訪問介護」は、賃金の低さ、またその給与体系の不透明さから結論としては「ナシ」な職種でした。
その為、時給×労働時間という明確な給与体系である現在の「施設」での仕事に至ったわけですね。
しかし「訪問介護」の仕事自体を否定している訳ではありません。
施設では、一人で何人もの利用者さんをフォローしなくてはいけません。
その為、自分が納得出来る介護がなかなか出来ないのも事実です。
そういったジレンマに悩まされた人は「マンツーマン」が基本の「訪問介護」に、行き着くのは想像出来ます。
働く側の意識や現状の違いで、働く環境を選ぶのはすごく当然な事だと僕は思います。
まとめ
一言で「介護職」と言っても、その職種は様々です。
職種によって給与体系ももちろん違ってきます。
生活の基本となるのは、やはりまず自分の基本収入です。
まずは自分が最低必要な月収をクリア出来る職種を、見つけることが大切です。
最終的に僕が登録した派遣会社は「ベネッセMCM」です。
時給1,800円以上の介護施設求人や、夜勤単価35,000円以上の高額な案件がたくさんある業界でもトップレベルの派遣会社です。
夜勤日給35.640円は本当なのか!?|高収入、高待遇の派遣介護士ならベネッセMCMが最強の理由 - 介護士ベイベー
業界未経験な人ほど、様々なサポートをしてくれる派遣会社への登録をおすすめします。
「介護職」と言うと僕の様に「老人ホーム」のような介護施設をイメージする人と「登録ヘルパー」のような訪問介護をイメージする人とに分かれると思います。
僕自身、現在は介護職のWワークだけで月収40万円以上稼いでいます。
介護職で「高収入」を狙っている人であれば、訪問介護、登録ヘルパーの職種は絶対におすすめ出来ません。
介護職で安定した高収入を得るには「優良な」「派遣会社」に登録して、施設での派遣介護士になるのが一番の近道です。
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仕事=収入
が全てではもちろんありませんが、介護業界に初めて転職するかたは、是非この点についてよく考えて転職活動をされるのが賢明だと思います。
グッドノージョブ