介護職月給12,200円アップ!だと!?|常勤介護士が介護職員処遇改善加算の恩恵を実感出来ない理由
こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
世間では介護人材をつなぎ止めようと、給料をアップしている施設が多いと言う報道がありました。
介護職月給、1万2200円増=人材不足で処遇改善―厚労省(時事通信) - Yahoo!ニュース
報道によると「政府の処遇改善策の対象となっている」施設の常勤介護士の給料が、平均で12,200円アップした、ということです。
しかしこの「常勤介護士」の給料アップ。
実感している介護士はどれほどいるのでしょうか?
少なくとも僕の周りの介護士で
「給料上がったぜ!ウェエーーーイ!」
なんて喜んでいる常勤介護士は1人もいません。
今日は「常勤介護士」の給料アップ、昇給について考えます。
常勤介護士の昇給の現実
僕は今まで「派遣介護士」として、特別擁護老人ホームと複数の有料老人ホームで働いて来ました。
そこで出会う常勤介護士のほぼ全ての人が、自分の収入に不満を持っているというのが現実です。
介護職ここが変だよ正社員!|派遣介護士が常勤介護士の働き方に違和感を感じまくったのでまとめてみた - 介護士ベイベー
常勤介護士として働く人の中で、自分の収入に満足している人は1人もいないんじゃないのか?
ってくらい、収入の低さに不満を持っている人は多いです。
介護職の平均給与は、他の職種に比べて圧倒的に低いのが現実です。
確かに毎年のベースアップはありますが、それは微々たる物で結果的にはそれほど収入は増えていない。
報道では「平均12,200円月収が上がっている」と言っていますが、現実的にそれを実感している常勤介護士はほとんどいないのが実情だと思います。
介護職員処遇改善加算とは?
この報道の元となっている政府の施策のひとつは「介護職員処遇改善加算」です。
これはまさに
2025年には全国で38万人の介護士が不足する。
と言われている、日本の介護業界を救済するために政府が打ち出した改善案ですよね。
特別擁護老人ホームや有料老人ホームは「介護職員処遇改善加算」を自治体から貰う為に必要事項を申請します。
その報告を元に、自治体から「介護職への給料上乗せ分」として費用が支給されます。
ここで問題になるのが
- 施設によって支給額はバラバラ
- もらった支給額をどう割り振るかは施設側が決定する
ということです。
なので世間で「介護職員処遇改善加算」の報道がいくらされても、実際に現場で働く介護士の全てが、それを実感出来るとは限りません。
あくまでも「平均値」であって、自分の直接的な給料アップとはイコールでは無いんですよね。
現実問題「介護職員処遇改善加算」によって、大きく収入が上がっている常勤介護士も存在すると思います。
しかし働く施設によって、かなりの差があるのは事実です。
政府の施策として行っているものなのに、この不公平さはいったいどうなんでしょうかね?
いったい常勤介護士の給料はいつ上がる?
「勤続10年の介護福祉士に月額8万円プラスで支給!」
というニュースを見た常勤介護士の方も多いでしょう。
実際に政府は1,000億円ほどの予算を、この施策に当てて2019年10月から実施されることが決定しています。
しかし、この施策もまた問題点があります。
- もらった支給額をどう割り振るかは施設側が決定する
この仕組みは変わらないんです。
なので「勤続10年の介護福祉士一名に対して8万円」が施設に入り、実際に常勤介護士の給料に8万円ダイレクトでプラスされる訳ではありません。
「施設が介護職者を雇用する」
という原則がある限り、しょうがないのかも知れませんが、働いている方としてはたまったものではありませんよね。
問題はベース給料の安さにある
常勤介護士の収入の不満の根本は、その基本となる給料の安さにあります。
介護職での国家資格「介護福祉士」を取得しても、介護職の平均給与(介護福祉士)は233,596円と言われています。
一般的な産業から見ると、月収で10万円程度も低い訳です。
ここから「介護職員処遇改善加算」など微々たる賃上げをいくらしても、その実感はほとんど無いのは当たり前です。
しかも昨年秋には、社会保険の負担も増えました。
2019年10月には、消費税が10%に増税されます。
そんな中で「介護士の離職を減らす」という目的で投下されている税金が、どれほど現場で働く介護士の役に立つのでしょうか?
根本的な処遇を変えて、ベースになる給料を現在の看護師並みに上げていかなければ、常勤介護士の離職は止める事は出来ないと僕は思っています。
国に頼るより自分で動く勇気
僕はこのブログで「派遣介護士になろうよ」とさんざん呼びかけています。
それは
2025年には全国で38万人の介護士が不足する。
という日本の危機的な介護業界を少しでも何とかしたい、という思いがあります。
常勤介護士は収入が低いんです。
それはこの先も中々改善されないでしょう。
だったらいっそ「常勤」ではなく「派遣」介護士に転職してしまった方が、手っ取り早く収入を上げられます。
僕は現在「派遣介護士」と「日勤パート」のWワークで月収40万円以上稼いでいます。
「常勤介護士が全員派遣介護士になったら困るじゃないか」
という意見もあるかも知れません。
しかし常勤介護士が、収入の面で介護職を離職して違う業種に転職してしまっては、日本の介護業界はさらに危うい状況になってしまいます。
せっかく介護技術や経験を得た常勤介護士が、僕の周りでも次々離職している現実もあります。
この記事で紹介した方の様に「常勤→派遣」に転職した介護士もいます。
常勤(正社員)介護士から派遣介護士に転職した!|ベネッセMCMのリアル介護士にインタビューしてみた - 介護士ベイベー
常勤介護士として、低収入に悩むなら「派遣介護士」に転職するのは断然おすすめな方法だと僕は思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
常勤介護士で低収入に悩んでいる人は本当に多いと思います。
まだ独身の方なら良いですが、結婚して子供を育てていくとなると現実の常勤介護士の収入ではかなり厳しい物があります。
介護職でも働き方や働く会社を間違えなければ、高収入を得る事が可能なんです。
僕が働くベネッセMCMは、日勤時給1,800円以上、夜勤単価35,000円以上など高収入案件を沢山かかえている優良派遣会社です。
常勤介護士としての経験があれば、即日でも転職が可能だと思います。
また僕と同じ様に、他業界から介護職に転職される方は「かいご畑」というサイトがおすすめです。
このサイトから登録すると、介護職の入門資格「介護職員初任者研修」を無料で取得出来る制度が「無料」で利用出来ます。
僕自身10万円以上掛けて取った資格なので「無料」で取れるのはラッキーだと思います。
介護職に対して政府がいろいろとバックアップしてくれるのは、決して悪い事ではありません。
長い目でみると介護業界の処遇は、今よりも良くなっていくと思います。
しかし我々労働者にとって最も重要なのは、近々の「手取り収入」です。
介護職で収入を上げるには「常勤介護士」から「派遣介護士」への転職です。
業界未経験で、他業界から転職される方も「派遣介護士」で是非高収入を目指して欲しいと思います。