7/7七夕に高齢者は短冊に何を願うのか?|高齢者の本音を介護に生かそう
こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。
明日は七夕です。
僕の務める介護施設では、利用者さんに「願い事」を短冊に書いてもらってかざっています。
その願い事を眺めていると、高齢者の思いが垣間見えました。
今日はそんなお話です。
そもそも七夕にお願いごとをするのはなぜ?
七夕と言えば、天の川に隔てられた「織り姫」と「彦星」が、一年に一度7月7日に会えるというロマンチックな伝説で有名ですよね。
このお話は、中国から伝わってきたものだと言う事です。
もともと日本には、7月7日に「七夕(しちせき)」という禊の風習があったそうで、そこにこの「織り姫」「彦星」の伝説が加わり、一説では江戸時代の寺子屋の生徒が、文字上達の為に書き始めた、とも言われていますが、いつしか七夕には短冊に願い事を書く、という現代まで繋がるスタイルに変化していったようですね。
子供の頃書いた短冊への願い
誰しも幼稚園などで、短冊に願いを書いた思い出があるのではないでしょうか?
僕も確かに書いた思い出はありますが、自分がいったいどんな願い事をしたかまでは思い出せません。
子供の頃からリアリストだったので「お金が欲しい」とか「パイロットになりたい」とかその辺かも知れません笑
今になって思うのは、ただ短冊に願いを書いて笹にぶら下げるだけで願いが叶うっていいうのは、いささか勝手すぎるような気がしますが、まあ7月のイベントということで良しとしましょう。
高齢者が短冊に書く夢
僕が働く二つの施設では、利用者さんに願い事を書いてもらって短冊を笹に飾っています。
多くの介護施設でも、同じ事をしているのでしょうかね。
認知症が進んだ方や、マヒ等で身体が不自由な方は職員がなるべく本人の願いを聞き取り代筆しています。
多くの高齢者の方が書いた「願い事」はバラエティーに富んでいて眺めていると興味深いものがあります。
「世界が平和でありますように」
「戦争がおきませんように」
北朝鮮問題などをニュースで見て、心配している利用者さんは多いです。
実際の戦争を体験されている方からすると、ミサイルをバンバン発射している映像はものすごくショッキングだと思います。
「平和」系の願い事は非常に多かったです。
「長生き出来ますように」
「五体満足でいられますように」
自身の健康に関する願いも、また多く短冊に書かれていました。
高齢者にとって不安は尽きる事がありません。
「健康」系の願い事は高齢者全ての共通したものなのかも知れません。
「ソフトクリームを食べに行きたい」
「美味しいごはんが食べたい」
「食べ物」系も実はかなり多かった願い事です。
やはり人間「食欲」という欲は強いものです。
「食欲」があるうちは、元気でいられると思いますので、この種の願い事は職員としては嬉しいですね。
「早く家に帰りたい」
「家のお風呂に入りたい」
帰宅願望系の願い事です。
やっぱり家が一番ですよね。それが分かる故に職員としては複雑な思いになります。
「彼氏が欲しい」
「お嫁さんが欲しい」
僕はけっこう驚いたのですが、何人か異性に関する願い事を書いていました。
やっぱり一人は淋しい。
こちらも高齢者の切実な悩みですよね。
まとめ
高齢者の方々の「願い事」を見ているとその切実さが伝わってきます。
彼らの本音がどこまで書かれているかは分かりませんが、全ての高齢者に共通している願い事が多かった気がします。
職員としてはその「願い事」を叶えてあげたいという気持ちもありますが、実はそのほとんど全てを僕ら介護士が叶える事は不可能です。
しかしいつもクールでもの静かな人が「彼氏が欲しい」という願いを持っているんだなと、その利用者さんの人間性を改めて再確認出来る良い機会ではありました。
そのような利用者さんには、今まで以上に声を掛けられる時はお話をしてみようと思います。