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小室哲哉氏引退の本当の理由は文春砲ではない|「介護離職」が日本の危機をさらに絶望にする理由

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こんにちは、現役介護士のさかもと ままる@mamaru0911です。

日本でその名を知らない人はいないくらい有名な音楽家であり、アーティストの小室哲哉氏が、前日自らの「引退」を発表しました。

小室哲哉さん 引退を表明 女性問題報道で「けじめ」 | NHKニュース

週刊文春での「不倫報道」がきっかけではありましたが、90年代後半の小室ファミリー全盛期、青春のまっただ中で彼の音楽を聴いていた世代としては、寂しい限りです。

小室氏の「引退会見」については、賛否両論さまざまな意見が交錯しています。

僕自身、彼の会見をみて「今後の日本の縮図」のようなインパクトを受けました。

今日はそんなお話です。

小室哲哉 引退

http://www.huffingtonpost.jp/2018/01/19/tetsuya-komuro_a_23338537/

小室哲哉とは

もはや説明の必要もないでしょう。

TM NETWORK時代から、小室氏の音楽は日本のそれをある意味で大きく変えた、といっても過言では無いのでは無いでしょうか?

 

90年代後半は、まさに小室ファミリー一色が日本の音楽シーンを席巻し「音楽プロデューサー」という言葉を定着させた第一人者と言っても過言ではありません。

僕の世代では今でも彼の楽曲を聴くと、当時の思い出が溢れる人は多いのでは無いでしょうか?

小室哲哉氏の引退会見の賛否

小室氏は週刊文春で報道された「自らの女性問題」のけじめとして、芸能生活を引退すると会見で語りました。

その会見後、マスコミは世間では賛否が大きく取り上げられています。

  • 不倫騒動で引退までしなくてもいいのではないか?
  • 妻KEIKOの病状をそこまで暴露しなくても良かったのではないか?
  • 介護を理由に引退するのはおかしい
  • 文春は才能の芽を自身の利益の為だけに潰した

などなどですね。

僕は彼の会見を映像で見て、率直に「文春砲はきっかけに過ぎない」と思いました。

TKとして一時代を築いた「天才」は、後に自身の作品の版権を巡る「詐欺事件」を起こし、さらには妻KEIKOのくも膜下出血で倒れる、という悲劇に襲われました。

妻の介護と「天才」としての自分のあり方を両立する日々に、限界が来たのだと僕は思っています。

いや、むしろ限界はとっくの昔に訪れていて、その引き金を今回の「文春砲」が引いたという感じさえしました。

小室哲哉氏の様に、分かりやすい「天才」では無くても、似た様な事例は今の日本で日々増えているということを皆さんはご存知でしょうか?

「介護の大変さとか社会のこの時代のストレスとか、そういうことにこの10年で触れてきたのかなと思っているので、こういったことを発信することでこの日本も何かいい方向に、少しでも皆さんが幸せになる方向に動いてくれたらいいなと心から思っております」

http://www.huffingtonpost.jp/abematimes/komurotetsuya-burnout_a_23340579/

という小室氏の芸能生活最後の言葉には、きっと彼なりの将来の日本へのシグナルだったんだと僕は思います。

小室哲哉氏が引退しなくてはならない本当の理由

1/23放送のバイキングの中で、東国原氏が

「小室氏は社会性に欠けている。介護の初期から専門家に任せればよかった」

のような発言をしています。

これはこれで正論ですが、僕には東国原氏はまったく介護というものを理解していない人だという認識しか持てませんでした。

介護論を語るのは、本当に難しい物です。

「介護とは何か?」

という問いは、実は

「命とは何か?」

「生きるとはどう言う事か?」

と同じ次元の議論が必要になってくるものです。

そこには答えはなく、それぞれのパーソナリティが色濃く反映される言わば「絶対領域」の議論なんです。

当たり前ですが「家族」は共に暮らしていく事が普通の姿です。

その家族の一員が、高齢であったり病気であったりで要介護状態になる。

それは長い時間を掛けての場合もあるし、ある日突然の場合もあります。

長年連れ添った家族が要介護になった場合、いったいどれくらいの人が

「よし専門家に任せよう」

とドライに受けとめられるでしょうか?

僕は介護士として、多くの利用者さんと関わっています。

そのほとんど全ての方にはご家族がいます。

しかし認知症や脳性のマヒのせいで、ご自分の家族の顔を見ても認知出来ない人は少なくありません。

見た目はご家族の知るいままでと同じ「その人」なんです。

しかし中身は明らかに「別人」になってしまう。

その状態で「病気だから」と諦められる人がいったいどのくらいいるのでしょうか?

介護とは、実際に自分の家族に降り掛からなければ絶対に分からない分野のとても難しい話しなのだと僕は思います。

小室氏の場合、妻KEIKOさんの病状が日に日に悪化しそれを介護する自分自身も大きく疲弊してしまうという悪循環に陥ってしまった。

しかしその状態で「専門家に任せろ」といくら外野が言ったところで、小室氏の考えは変わらなかったのでしょう。

彼にとって奥さんは、どんどん言葉の理解が乏しくなってもずっとあの頃の奥さんに変わりなかったのですから。

介護離職を余儀なくされる40代50代のリアル

少し前のデータで残念ですが、平成23年〜24年の間に「介護」が理由で離職を余儀なくされた人は10万人を超えています。

https://www.irs.jp/article/?p=524

この数年間で高齢者の数は激増しているので、介護離職者数もかなり多くなっていると予測されます。

小室哲哉氏同様、家族に介護が必要になってくると誰かがそのケアを行わなくてはいけません。

介護負担はその介護度や状態にかなり左右されますが、いずれにしても仕事をこなしながら介護を続けるには相当な負担がかかります。

介護職は専門の機関に助けてもらうのが一つの方法ですが、経済的な負担ももちろん、介護を専門家に任せる決断をしかねている、言わば「小室氏状態」の人達も多いと思います。

介護離職は日本を潰す

小室哲哉氏のように、分かりやすい天才でなくとも40代50代で介護離職を余儀なくされる人は年々増加しています。

そのほとんどは社会で中枢をになう働き盛りです。

企業にとっても、優秀な人材が抜ければそのダメージはジワジワと業績に反映して来るはずです。

介護離職が増える→企業が競争力を失う→日本の国益が減る

という悪循環ですね。

しかしこの負のサイクルは、すでに始まっているのです。

小室哲哉氏の引退は、まさにこのサイクルを象徴しているように僕は思いました。

ではこの悪循環を立て直す手だては無いのでしょうか?

介護離職をしないたった一つの方法

正確なデータを取った訳ではありませんが、介護離職をする人のほとんどが「介護未経験者」ではないかと僕は思います。

要は「介護」というモノ自体にはじめて直面し、それに向き合う方法も分からないまま独力でやっているうちににっちもさっちもいかなくなって離職せざるを得ない、そんな人が多いのでは無いでしょうか?

僕が以前読んだこの本の著者もまさにその一人でした。

 

 

一般の社会生活を営んでいて、身内に要介護者ができるまで「介護」は本当に「他人事」なんですね。

介護に関する知識なんてゼロなのが当たり前なんです。

僕らの様な介護の専門職になってはじめて、介護とはどういうものかという事を勉強し、肌で感じることが出来るのです。

なので僕ら介護職の人間は、仮に身内に要介護者が出たとしてもそれほど慌てず最善の手を尽くす事が出来ると思っています。

一般の人が出来る方法としては、なるべく来るべき「介護」に備えた情報収集をすることです。

出来ればこんな資格を取っておくことが最適ですが

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時間が許さない方がほとんどでしょう。

そうであれば日頃から介護関連の書籍を読んだり、アンテナを立てるにこした事は無いと思います。

介護は「介護がはじまってから」はじめては遅いのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「天才」音楽プロデューサー小室哲哉氏の引退は、奇しくもこれからの日本の最大の問題を浮き彫りにした象徴的な出来事のように見えました。

会見の最後に

「最後にひとことだけいいですか?」

と絞り出した小室氏の最後の言葉。

彼が発したかったメッセージは、まさに介護離職へのシグナルだったと僕は思っています。